専門家委員会に対する質問書 小野 達也様 (吉田 幹男)

2013年4月15日

庁舎整備専門家委員会委員長 小野 達也様

   

専門家委員会に対する質問書

 

                  市庁舎新築移転を問う市民の会会長 吉田 幹男

      

 私たち市庁舎新築移転を問う市民の会(以下市民の会)は、多くの危惧を持ちながらも、専門家委員会の審議の経過を注視し、内容も含めて検討してきました。そして、これまでの審議過程と、今回、ほぼ明らかとなった市民アンケートの内容を分析し、私たちの危惧と予見が正しかったことを確認しました。

 ここに、「市民の会」として、専門家委員会に対する私たちの見解を明らかにするとともに、以下に示す私たちの疑問に対し、根拠を示し、誠意をもって御回答いただくよう要請いたします。

 

1、委員会の性格について

 まず何よりも専門家委員の選定が、新築移転を強引に推進してきた竹内鳥取市長の恣意に基づいて行なわれたことは、公平・公正さが最も重要な基準となる状況下にあって極めて不適切なものであったと考える。

 さらに、委員会に対する主要な情報提供者は、市長の指示のもとに新築移転を推進してきた市庁舎整備局であることも公正・公平さを損なっている要因になっている。

 専門家委員会のメンバーが客観的な視点で審議をしようとする努力も認められるが、総体としてみるとき、かつて新築移転を強引に推進してきた際に、有識者会議という名の隠れ蓑審議会、作為的アンケート、公費を使っての一方的宣伝などを通じて世論操作を行ってきたのと同様な手法で進められていることは明らかである。

 上記に示した内容について、委員会としての見解をうかがいたい。

2、鳥取市長の諮問とそれに対する委員会の審議について

 市長が「新築、改築にこだわらずフリーハンドで議論する」ことを求め、事実上住民投票を白紙に戻すことを前提とした諮問内容に対し、住民投票の結果との整合性も議論することもなく、審議に入り、住民投票で多数を占めた「耐震改修を基本とする案」と否決された「新築移転案」、不十分として審議さえされなかった「県建築士事務所協会案」などを同列に審議してきたことは、いかにも客観的な装いをしながら、実は新築移転案を復活させる方向に道を開くものに他ならない。

 さらに、専門家委員会のアンケートの選択肢の中に、全く実態もなく、どの場面でも審議さえされたことのない「現在地での新築案」なるものを挿入していることは大問題である。これは、市民の意思が分散する可能性の高い選択肢を加え、二者択一で60%の支持を得た「耐震改修を基本とする整備案」の支持を分散させ、相対的に支持率を低下させることによって、竹内市長が調査結果などの具体的な根拠を示すことなく「民意は変わった」とする恣意的発言を跡付ける意図をもって行われていると受け止めざるをえず、容認できない。

 このような新たな問題を十分な検討もせず、市民に提示することは、ただでさえ混乱している市庁舎問題を一層混迷に陥らせるものである。

 上記に示した内容に付いて、委員会として根拠を明確にしたうえ御回答いただきたい。

3、市議会が示した方向との整合性について

 3月13日、市議会の市庁舎整備調査特別委員会は、「耐震改修案の白紙撤回を求める会」の住民投票無効化と耐震改修案の白紙撤回要求の陳情を「住民投票は有効」「白紙撤回はしない」ことを全員一致で確認したうえ否決した。この結果から考えても、現在進められている鳥取市長の諮問とそれに基づいて行われている専門家委員会の審議内容は明らかに整合性を欠いており、直ちにアンケート実施を含めた審議のあり方を再検討すべきである。

 上記に示した内容について、委員会として法的根拠を明らかにし御回答いただきたい。

4、専門家委員会に求められていること

 専門家委員会に対して市民が望んでいるのは、市民の圧倒的多数が選んだ「耐震改修及び一部増築案」をいかにして実現するかの方向を、市民の意見を取り入れながら、市の財政状況を検討し、市民が求めた無理や無駄のない範囲で必要な施設設備の充実も含め、安心安全な市庁舎を実現する方向を市長に提言することである。

 上記に示した内容に付いて、委員会としての見解をうかがいたい。

5、専門家委員会として市民の声を反映するための対応について

 市民の会としては、十分な検討もなされないまま、拙速にアンケート調査をするのでなく、生の市民の声を聞くことこそ重要だと考える。専門家委員会として、市民に検討状況を広く説明し、意見を聞く全市民的な議論の場を設けるなどして、市民の意思を丁寧に把握すべきである。

 併せて、過去2年以上にわたって、5万人を超える市民の意見を集約しながら市庁舎問題に真摯に取り組んできた「市民の会」と専門家委員が率直な意見を交わす機会を設けていただきたい。

 上記に示した内容に付いて、委員会としての御回答いただきたい。

 以上の要請・質問に対する回答は4月23日(火)までにお願いしたいと思います。ご多用中とは思いますがよろしくお願いいたします。

 なお、専門家委員会の進め方及び市民アンケートについての具体的問題点について別紙に指摘しておりますので、ご検討をお願いいたします。

                  以  上

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