庁舎整備専門家委員会への意見(八村 輝夫)

4月4日に市庁舎整備専門家委員会の小野委員長宛に「要約しないで皆さんに配ってください」とのお願いの書面をつけて届けました。私の意見の一部ですが、皆さんにも読んで頂きたいと思います。

                        八村 輝夫

鳥取市庁舎整備専門家委員会の委員の皆様には大変ご苦労をおかけしておりますこと感謝いたします。感謝の気持ちとは反するようですが、この議論自体が意味の無い議論に思えて仕方がありません。簡潔に言えば、住民投票の結果を認めるかどうかだけの問題を費用の問題だけにして議論されているように思えて仕方がありません。市長が政治生命をかけて新築か、耐震改修かを決めればよいことで、議会はそれを認めるかどうかを議論すればよいことです。何故私がそう考えるかを専門家委員会の皆さんに訴えたく存じます。

 

1 住民投票の意味

  住民投票はⅠ案市立病院跡に新築移転――75億円

       Ⅱ案 現在地で耐震改修と増築――20億円  

で争われました。市民の意見は60%以上が第Ⅱ号案を選択しました。

第Ⅱ号案の意図するところは耐震改修および現位置、そしてできるだけ低費用でという意味だったと思います。ところが市長はこれを75億円か20億円の費用だけの問題と捉え、検証を議会にゆだねました。しかし、市役所に必要な機能(何が必要か)を定めず基本計画も無く、工法等が定まっていない案件を検証できるわけはありません。議会もその議論は全くせず金額だけの議論に終始し、第Ⅱ案は実現できないと結論付けました。工法を変えれば近い金額でできるものをできないとし、位置や費用をできるだけ抑えるという市民の声を無視した結論です。誰が考えても、検証ができないことは自明の理ですのに検証し、しかも、単に費用の問題を議論しただけで、それで「耐震改修」案の実現が難しい、不可能だとの結論を出しました。理屈に合わない結論です。

 

2 市庁舎建築に考えなければいけないこと

  それと庁舎整備の議論には大きな三つの欠点があります。それは

  1 市役所にどんな機能が必要か、合併した町村の総合事務所の機能、住民サービスとの関係はどうか。

  2 市庁舎の位置が従来続けてきた中心市街地活性化基本計画、そして第2次基本計画ではどうなっているのか。市の顔である市役所の位置は街づくりに大きな影響があると考えます。1.5㎞も位置を変えれば街づくりを考え直す必要があるはずです。

  3 市の財政計画はどのようになるのか。少子高齢化、人口の大幅減少〔2040年には156千人の予想〕、産業衰退の情勢の中で、市税の見込みや維持費も含めた財政の見通しはどうなのか。過去の公共投資で今重荷になっているのは如何に維持費を出していくかということです。先般委員会に示された市の財政の資料は一般会計だけで、水道などの特別会計、土地開発公社など実質市の借金、今後も市が税金をつぎ込んでいかないといけない重要な会計が説明されていません。人口推計、産業政策などと特別会計なども含めた市の財政計画の見通しを示すべきです。また耐用年数も単に税制上の数字だけで判断はできません。

 

3 委員会の皆様に考えておいて欲しいこと

  委員会のご意見である4つの案を精査して市に示すというお考えは、現在の委員会が作られた目的であり、そのとおりだと考えます。しかし、どのような意見書をお出しになろうが、今の市長には、「市民の声を聴いた、専門家もこう言っている」という市長の意見の免罪符になるだけだと思わざるを得ません。現在5号まで出された専門化委員会ニュースを読んでも、皆さんが議論をされたことと微妙に違った要約をしているように感じます。悪く考えれば市民の意見を誘導していこうとしているようです。このことをよく考えて頂いて答申案を作って頂きたいと思います。

  この庁舎問題に関するだけで今まで1億円近い税金を投入しています。私は住民投票の6千万円弱の費用の他は、全くの無駄遣いと思えて仕方がありません。これ以上時間とお金を無駄遣いできないよう、また住民投票に表された住民の意志を無視できないような答申にして頂くよう、心からお願いいたします。

                                 以 上

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