住民投票に示された民意の尊重を!

 

住民投票に示された民意の尊重を!

 

  ―いま、住民投票をなかったものにしようとする

                                     動きが進んでいます!!

 

■今年の5月20日に実施された住民投票では、第2案(耐震改修案)が約4万7千人の支持を得て選ばれ、投票率も50%を超えました。これを受けて市長は耐震改修案を受け入れると表明しました。

本来なら、ここで直ちに市が耐震改修計画案の策定に取り掛かるべきでした。ところが、竹内市長は耐震改修案の検討を議会に投げ出し、「基本計画的なもの」をつくるよう求め

議会の調査特別委員会で検討することに。 その調査特別委員会では、新築移転推進派が多数を占めていることもあり、前向きの議論にはならず、「20億円で出来るかどうか」という後戻りする議論となり、再び20億の「検証」を第三者に委託することになり、唯一手をあげた日本設計と随意契約で業務委託契約を結びました。が、日本設計は、新築移転の基本計画案を作成した会社であり、中立・公正な“第三者”とは言えません。

●その日本設計が、11月9日、耐震改修案の「検証」結果を報告。が、その内容は、非常に高い金額、すなわち、耐震改修案(の変更案)の概算工事費31億円、設計・監理費2.2億円、そして、本来は耐震改修案の「検証」に含めるべきでないその他経費10.2億円まで加え総事業費43.4億円というものでした。

(費用が法外に高い1例をあげれば、新第2庁舎の建設坪単価は、2号案の80万円に対し、日本設計は116万円としていますが、出雲市は86万、諫早市75万というように大きな開きがあります。)

 さらに、あろうことか、「検証」の範囲を踏み越えて、現在地での「全面建て替(新築)案」まで「検討すべき事項」として言及しています。

■住民投票で、多くの市民は、新築移転ではなく、今あるものを大切に使い、大きなお金を使わないで、必要最小限の耐震改修を行うことを選択しました。

 住民投票にかけられた耐震改修の費用は約20億円でした。これは、鳥取出身の建築家である山本浩三氏が算定したもので、鳥取県庁や商工会館、JA会館など市内の具体的な事例をもとに(実勢単価で)算出されたものです。

 ところが、新築移転推進派は、これに対して、「20億円では絶対出来ません」と繰り返し攻撃をしてきました。昨年12月の竹内市長後援会で配布された資料では、耐震改修案は何と67億円もかかると言い、その後も今年の2月には、議会検討会で20億円を「検証」するとして、県の建築士事務所協会に随意契約で業務委託し、原案を勝手に変更した「検証」とは言えない報告書で37億円かかると言ってきました。そしてまたまた今回の日本設計の“43億円”かかるという報告(実際の「検証」結果は33.2億円)です。

 しかも、この検証作業は、立案者の山本さんには、何の問い合わせもせず、一方的に進められました。この点も、建築士協会の時と同じやり方です。

 このようなやり方には意図的なものがあるとしか考えられません。「20億円では絶対出来ません」と主張してきた新築移転推進派は、何とか耐震改修の金額を釣り上げ、住民投票にかけた20億円は間違っていたとして、住民投票結果を否定し、何としても新築にもっていこうとしているようです。

住民投票の民意を無視することは許せません!

 

 問題を建設費の額20億円のみに焦点化するのは間違い!

新築移転推進派は、建設費の額が確定したかのように「市民に約束した20億円で出来なければ市民をだましたことになる」などと言い立てています

☛しかし、建設費は、どういう基準で算定するかによって異なります。

(山本さんは実勢単価により、日本設計は国土交通省の単価基準による。費用は当然異なります。)

☛また、現段階では明確な額を出すことは困難であり、設計段階でなければ決まらないことも沢山あります。(だからこそ、住民投票の「関連情報」(参考欄)に「建設費は概算であり、設計段階で精査されます」と明記してある。つまり、増減することは織り込み済みなのです。)

☛さらに、施工業者選定の段階の入札やプロポーザルで額は大きく変動することは常識です。(日本設計自身の出した資料でもそのことははっきり述べられています。)

☛それに加えて、何より耐震改修案の中身については、市民の意見を聞くということが不可欠です。その結果によっても当然額は変動します。

(市民の意見として、例えば、「駅南庁舎をもっと活用すれば、増築の必要はない」という意見は早くからありました。また、本庁舎と増築部分を渡り廊下でつなぐと「一体のもの」という市の判断が出され、そのため費用が増加しましたが、「それなら渡り廊下は要らない」という意見も当然出てくるでしょう。

 こうした不確定要素がたくさんある中で、随意契約で1社が額を出したからといって、それが確定的なものだとは決して言えないことは明らかです。

 4万7292人の市民は住民投票に何を求めたのか?

■11月2日、竹内市長は、耐震改修案の「検証」状況を受け、記者会見で「耐震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「民意をとらえなおす必要が出てきている」住民投票結果そのものを見直すような重大な発言をしています。また、これに呼応して、「住民投票は無効」と主張し、「耐震改修案の白紙撤回を求める」“市民団体”まで現れています。

 しかし、市民はただ単に「20億」という金額の問題のみで選択したのでしょうか?耐震改修案選択の背景には、①少子高齢化の進行、②国や市の厳しい財政、③市民の生活の厳しい状況、④まちづくりの視点、⑤防災上の問題、⑥総合支所の充実等もっと優先すべきことがあること、などがあり、今は箱物をどんどん作るような時代ではないという認識も広く共有されていたと言えます。それらを総合的に考えて、市民は住民投票で「市立病院跡地への新築移転」ではなく、「現本庁舎の耐震改修及び一部増築」を選択し、良識を示したのです。

 今の段階で、耐震改修案が20億より費用がかかるとの日本設計による「検証」結果が出されたからといって、耐震改修をという大きな民意は決して揺らぐものではありません。(耐震改修案の「総事業費」43億円とされていますが、市民は、新築移転案の75億円は建物だけの建設費であり、「総事業費」ははるかに多くかかることもよく知っているのです。)

市執行部・市議会と民意とが大きくかけ離れていたことから今回の住民投票運動が起こり、そのズレが投票結果としてはっきりと証明されました

 ならば、その反省に基づき、市長は、一刻も早く投票に示された民意に基づき耐震改修案の具体化を進めるべきであり、その進め方も、民意に沿って、すなわち議会というよりも市民の意見を聞きながら進めるべきなのです。

 市民の思いを無視する市長と推進派議員に今こそ抗議の声を!

 そして、議会もまた民意とかい離していたことの反省に基づき、多数決の原理(議会内の数の力)によって議論を推し進めようとするのでなく、民意を確認しつつ、前向きな議論を進めるべきなのです。

●「市民の会」は今後も耐震改修案の早期実現をめざして取り組みを継続していきます。皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願い致します。

市庁舎新築移転を問う市民の会 会長 吉田 幹男

 680-0035 鳥取市新町201番地 ☎0857-25-4558 FAX0857-25-4559

 

 

住民投票を無効にしようとする動きに抗議を!

 

11・24耐震改修案早期実現をめざす

 

市民集会に150人が結集

 

 「市民の会」は、1124日、とりぎん文化会館にて、耐震改修案の早期実現をもとめる市民集会を開催しました。参加した市民からは、「もともと今回の住民投票は、耐震改修か新築移転かということだった」、「新築は市民に拒否されたのだ」、「市民の税金を使うのに、随意契約で検証をするのは間違い」、「住民投票は最高の決議機関というべきもの。1日も早く前に進めてほしい」、など、市と市議会の姿勢を批判する厳しい意見が出されました。

           ≪会場からのその他の主な発言≫

特別委員会でいったい何をやっているのか。今の議論は住民投票前にやっておくことだ。

市長に(耐震改修案を)進めさせなかったこと、そこを議会が容認したことが間違い。(検証結果が)ホントかウソか議会では判断できない。

お金の話は無意味。まだ基本設計以前の段階。一刻も早く基本設計、プロポーザルをや

 って(耐震改修案を)進めていこう。

■谷口肇組織部長は情勢報告で以下の点を指摘。 市長が耐震改修案を具体化する責任を放棄し、議会に投げ出したのが間違い。 議会がそれを受け入れ、全会一致で決定し、市民に提案した案を改めて検証するとしたのは矛盾。検証は提案する前にすべきこと。

対立する案である新築移転の基本計画案を作成した日本設計に、随意契約で検証を依頼するのは、中立・公正と言えず不見識。 2号案と日本設計の検証では、算定の基準が違う。また、本来、検証に入れるべきでない「その他経費」10.2億円まで費用に入れている。さらに、検証からは外れる「全面建替」まで提案しているのは大問題。 住民投票で市民が耐震改修案を選んだのは、ただ単に20億円という金額だけの問題ではない。

■会には第2号案の立案者山本浩三氏も参加し、検証案を批判する見解を発表。「20億で十分できる」と具体事例や数値を基に説明。最後は「是非公開の場での討論をやって、市民の判断をしてもらいたい」と訴えました。

■集会の最後には、「私たちは、竹内市長が住民投票に示された市民の意思を率直に受けとめ、直ちに耐震改修を基本とする第2号案の実現に向けて具体的に取り組みに着手することを強く要求する。…私たちは「市民の会」に結集し…立ち上がった多くの仲間とともに、たたかい続ける決意をここに明らかにする」という集会宣言が満場の拍手で採択されました。

●なお、11月27日には、この宣言や会場からの市民の声をもとに作成した申し入れ書(要請と公開質問状)を市長と議長に提出しました。

 

住民投票の民意は現在地での耐震改修

 

 

 新築移転を推進してきた“市民団体”が

   議長に「耐震改修案の白紙撤回」を要請・・・その狙いは?

 

 11月30日、「市庁舎耐震改修案の白紙撤回を求める会」(元の「市庁舎新築移転を実現する会」が衣替えしたもの)が、議長に陳情書を提出し、市議会に「住民投票は無効だったと宣言し、市民に謝罪すること」「耐震改修案を白紙撤回した上で、市民にとって合理的な案をまとめること」を求めた、と報道されています。これは何を狙ったものでしょうか。

●竹内市長は、既に11月2日の記者会見で、「耐震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「同じお金を使うなら、もう全く新たに新築もできるではないかというようなことも出ていたり」「(住民投票の)効力についての議論も出て来得る」「庁舎問題をどういうふうに方向付けていくのか…改めて議論をスタートさせなければならない」と述べています。

 さらに、11月16日の会見では、「(住民投票の結果は)尊重すべきものであると考えていますが、重大な事態が生じているという新たな事態があります。それをどう考えるか」「多くの市民の皆さんに…意見を寄せていただく…中で、これからいろいろ考えていかなくてはいけない」と踏み込んでいます。

●これらの発言から、市長が、住民投票とそこで示された大多数の市民の意思を否定し、改めて新築も視野に入れて議論をしていこうとする意図が透けて見えます。そして、今回の「白紙撤回を求める会」の陳情の「合理的な案」とは、現在地での「全面建替案」、または「新築移転案」を指すものと考えざるを得ません。

 なお、10月30日には、青谷町地域審議会で、庁舎整備局が出向いて説明する中で、委員から「今回の調査での建設費等は43億4千万円と倍以上の費用がかかる。これだったら新しく建ってもいいのではないか」「同じ場所に建てるのであれば議員の3分の2以上の賛成がなくても、過半数でいいのではないか」という意見まで出されています。

 こうした“市民団体”や地域審議会等の意見こそ、いま市長が“市民の意見”として求めているものと言えます。

●しかし、今回の住民投票で明らかになったのは、市及び市議会と民意とが大きくかけ離れていたという事実でした。ならば、その反省に基づき、市長は一刻も早く投票に示された民意に基づき耐震改修案の具体化を進めるべきです。その進め方も、議会よりもまず市民の意見を聞きながらことを進めるべきです。

 そして、議会もまた民意とかい離していたことの反省に立って、多数決の原理(議会内の数の力)によって議論を推し進めようとするのでなく、住民投票に示された民意を尊重し、耐震改修への前向きな議論を進めるべきです。

 

住民投票をなかったものにし、民意を無視しようとする

 市長と新築推進派の動きに抗議を!

 

 

 市庁舎新築移転を問う市民の会 会長 吉田 幹男

 〒680-0035 鳥取市新町201 ☎(0857)25-4558 FAX (0857)25-4559

 

 

「新築移転」 か 「耐震改修」 か?

 

「新築移転」 か 「耐震改修」 か?

~全国が注目する鳥取市の住民投票~

     

 私たちが5万人を超える署名を集め、求めてきた住民投票が1年がかりでようやく実現。5月20日(日)の投票日を前に、11日告示が行われました。

 市庁舎建設が住民投票にかけられるのは全国初とあって、鳥取市民がどのような選択をするか、いま全国が注目しています。
 
 5月14日付の毎日新聞全国版および日本経済新聞全国版のコラムで鳥取市の住民投票について報道されたので紹介します。
 
 「新築移転」か「耐震改修」か、鳥取市民の賢明な選択が求められています。「市民の会」は、様々な圧力や利益誘導などの攻撃をはねのけ、耐震改修案の勝利をめざして最後の最後までがんばります。

 

耐震改修案へのご支持をよろしくお願いします。

 

5月20日住民投票結果報告

  市民の判断は新築移転にNO!!

 ●新築移転 30,721(39.4%)

 ○耐震改修 47,292(60.6%)

 

 投票率50.1%

          

 

 

 

 

 

 

私たちは、市長をはじめとする新築移転賛成派に新築移転を確実にストップさせるためには、投票率が50%を超えること、さらに耐震改修案が相当の差をつけて勝つことが必要だと考えていました。

 投・開票日の5月20日、投票率は15時現在で38.37%、18時現在で45.62%と期待ほど十分には伸びず。心配しましたが、19時段階でようやく2年前の市長選挙の投票率(48.34%)にあと0.01%と迫り、最終的には上記のように、投票率も50%を超え、得票数も1万6千票以上の大差をつけて圧勝しました。

  この間、1年以上にわたる取り組みを支えて下さった「市民の会」の仲間たち、署名運動に取り組んできた受任者の皆さんと署名に協力いただいた5万人の皆さ ん、今回の住民投票で支持して下さった皆さん、そして、投票に参加されたすべての市民の皆さんに感謝したいと思います。

 私たちは、「まちづくりの主役は市民。大切なことは自分たちで決めよう!」と訴えてきました。今回の住民投票で、鳥取市民が主役として登場したことを何よりうれしく思うとともに、「市民の会」がその手伝いをできたことを誇りに思います。

 なお、市長は翌21日、新築移転を断念すると発表しましたが、「市民の会」は、さらに市側の対応を見極めつつ、当面活動を続けていきます。引き続き皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

(「市民の会」広報部)