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市長の「新築移転」表明に抗議!

■6月7日、竹内市長は「市庁舎整備の基本的な考え方」を表明しました。市長はあいまいな焦点をぼかした表現をしていますが、その内容は昨年5月の住民投票ではっきりと否定された「新築移転」を復活させることの表明にほかなりません。 専門家委員会を隠れ蓑にして、市長が住民投票結果を無視し、勝手に整備方針を決めることは許されることではありません。 以下に「市民の会」の抗議声明を掲載します。

 

               抗   議   声   明         

 本日6月7日、竹内市長は議会冒頭提案説明の中で市庁舎整備の「基本的な考え方」を表明した。その内容は、

①防災と市民サービスの充実強化のため、交通アクセスがよく、敷地が広い旧市立病院跡地において新たな施設の速やかな整備に向けた検討を進めます。

②庁舎の機能は、旧市立病院跡地と駅南庁舎への集約を基本として検討を進めます。

既存の庁舎について、庁舎機能の全体的な配置、費用、まちづくりなどの観点から適切な活用について検討を進めます。

というもの。 

 既存庁舎の「適切な活用」の内容が不明な点があるが、この内容は、実質的に新築移転を打ち出したものであり、住民投票結果については一切触れていないことに見られるように、住民投票結果を否定するものと断ぜざるを得ない。市長が住民投票結果を無視して勝手に整備方針を決めることは許されるものではなく、断じて受け入れられるものではない。 

 仮に、既存の庁舎の活用ということで、本庁舎を当面残し、位置条例をクリアしようという意図があるとすれば、極めて姑息な手法と言わざるを得ない。 住民投票の結果、主権者である市民の多数が、市が進めてきた新築移転案に「ノー」を突き付けた。市民は、国や市の厳しい財政、少子高齢化の問題、市民生活の厳しい状況等々を考えて、もっと優先すべき課題があるとの思いで、今あるものを大切に使い、大きな費用をかけない必要最小限の耐震改修を選んだのである。 私たちは、市長及び市議会がこうした市民の思いに寄り添い、住民投票結果を尊重して、耐震改修の具体化に向けて一刻も早く取り組むよう改めて要求するとともに、今回の市長の「市庁舎整備の基本的な考え方」の発表に強く抗議するものである。 

  2013年6月7日 市庁舎新築移転を問う市民の会

■市長は、所信表明の最後を非常に“立派な”言葉で締めくくっています。「様々な声のある中、『市民の命とくらしを守る』責任を果たすため、勇気と真心をもって真実を語り抜く決意を固めています」と。もし本当に「勇気と真心をもって真実を語り抜く」というのなら、何を言っているか分からないような曖昧な言い方はやめて、市民に率直な言葉で語り、納得を得る努力をこそすべきです。それが説明責任を果たすということではないでしょうか。

市長は住民投票結果を守れ!

 

専門家委員会の進め方及び市民アンケートに関する具体的問題点(別紙)

( 別紙 )

    専門家委員会の進め方及び市民アンケートに関する具体的問題点

                         

(1) 「4つの計画案の比較表」の検討について

  現在、専門家委員会では、「4つの計画案の比較表」を検討されているが、委員が指摘 した疑問点・問題点に対する整備局の回答は不十分な点が多々あるにもかかわらず、その 点への追及は中途半端に終わっている。主要な2点について指摘しておきたい。

  第1の問題点は、4案の費用の算定基準がいまだ明らかにされていないことである。2号案と変更案の算定基準が異なることも重要であるが、特に同じ日本設計が算定したにもかかわらず、1号案と変更案の算定基準が異なることは重大な問題である。今のままでは、1号案は2号案への対抗上費用を下げるために「実勢単価」とし、変更案は費用をかさ上げするため「国交省単価」で算定したという疑念を払しょくできない。

  第2の問題点は、変更案では「その他経費」10.2億円を加えて事業費総額43.4億円と されたが、これは住民投票の1号案にも2号案にも加えられていない経費であり、2号案にこれを加えるとしたら、1号案にも当然加えて考える必要があるということである。1号案の「その他経費」は2号案の比ではないほど大きなものとなると想定される。1号案の「その他経費」がいくらになり、事業費総額がいくらになるのか、概算であってもこの点を示さなければ公平・公正な比較資料と言えず、市民の納得は得られないと考える。

  住民投票後の日本設計による検証結果として、「建設費33.2億円」、「(その他経費10.2 億円を加えて)事業費総額43.4億円」と市報やマスコミにも大きく報じられ、耐震改修案は「20億円では実現不可能」「倍以上かかる」という強い印象を市民に与えている。その意味で、上の二つの問題点に関する正確な情報が示されることが極めて重要であり、それがなされない状態で、今後アンケート等を行っても、市民の意識の正確な把握は困難であると考える。

(2) 専門家委員会を支援する業者について

  (1)とも関連するが、整備局のみでは対応できない問題に対応するため、専門家委員会 の運営や資料作成、公開討論会、その他市民意見集約業務、報告書の作成などを支援する業者を募集する件は今後どう進められるのか。

  その業者選定を行う場合には、2号案の検証において1号案の基本計画を作成した業者 に委託したために市民に疑念や不信の念を与えていることに鑑み、事務局の判断にゆだね るのではなく、専門家委員会が責任を持って公平・公正な第三者と認める業者に委託され るよう強く求めておきたい。

 

(3) 専門家委員会の任期と会の進め方について

  委員長は、任期6月までということを必要以上に気にしておられるよう見受けられるが、 これだけの重要な問題に対する報告書を提出するのに、期間の制約から拙速に議論・まと め作業を進めるとしたら、本末転倒であり、後に大きな問題を残す。むしろ、十分な議論を保障していくため、必用な期間は延長すべきと考える。そのために、「任期は……6月30日までとする。ただし、調査及び審議が終了していない場合は、任期を延長することができる」(鳥取市庁舎整備専門家委員会条例第3条3)とされているのであるから。

 

(4) 市民への意識調査(アンケート)について

  私たちは、基本的には、住民投票結果を受けた後に、その結果をどう受け止めるかの議 論もないままに、今の段階で「市民の意識調査(アンケート)」を行うことについては、慎重な検討を要すると考えている。が、すでに、専門家委員会がアンケートを実施する方向で進んでいることから、その内容についていくつか指摘しておきたい。

質問1で、「③現在の場所で新築すべき」という項目があるが、これまで委員会で話題 になったことすらないのに、唐突な感を否めないが、そもそもこれは、現在地での新築・統合を想定したものか、それとも、現本庁舎(と第二庁舎)を建替えするものか。選択肢の①②と比べあまりにも漠然とした選択肢である。市民を戸惑わせる設問となるのではないか。また、これが入ることで、住民投票で争点となった「新築移転か耐震改修か」という重要なポイントが曖昧になってしまう。なぜ今この項目が入れられたのか?

質問1-2では、選択肢の検討が不十分ではないか。

 例えば、⑥「合併特例債を活用できるから」とあるが、「合併特例債も借金であり、これ に頼るべきではない」、「東日本大震災の復興に財源を回すべき」という意見もあろう。「少 子高齢化が急速に進むなかで、新築で大きなお金をかけるべきではない」、「お金を使うな らもっと優先すべき課題がある」「身近なところでのサービスを図れるよう総合支所の充 実を」、「雇用などを優先すべき」、「防災の点では現在地が望ましい」等々の意見もあろう。

 前回の議論で「公共交通の拠点であるから」も入れてはという指摘があり、取り入れることになったが、一方では「来庁者の大半は自家用車、交通渋滞が今以上にひどくなるおそれがある」という意見もあろう。

 「その他」の項目があるとはいえ、もう少し選択肢を精査して実施すべきではないか。

質問4では、「今後の急速な少子高齢化の進行」、「市の財政の見通し」、また、「市民への説明責任が果たされること」等も入れるべきではないか。住民投票運動が起こったのは市の新築移転計画の内容や進め方に対する市民からの多くの疑問や批判があったからだということも忘れてはならない。

                                   以  上

 専門家委員会に対する質問書 小野 達也様 (吉田 幹男)

2013年4月15日

庁舎整備専門家委員会委員長 小野 達也様

   

専門家委員会に対する質問書

 

                  市庁舎新築移転を問う市民の会会長 吉田 幹男

      

 私たち市庁舎新築移転を問う市民の会(以下市民の会)は、多くの危惧を持ちながらも、専門家委員会の審議の経過を注視し、内容も含めて検討してきました。そして、これまでの審議過程と、今回、ほぼ明らかとなった市民アンケートの内容を分析し、私たちの危惧と予見が正しかったことを確認しました。

 ここに、「市民の会」として、専門家委員会に対する私たちの見解を明らかにするとともに、以下に示す私たちの疑問に対し、根拠を示し、誠意をもって御回答いただくよう要請いたします。

 

1、委員会の性格について

 まず何よりも専門家委員の選定が、新築移転を強引に推進してきた竹内鳥取市長の恣意に基づいて行なわれたことは、公平・公正さが最も重要な基準となる状況下にあって極めて不適切なものであったと考える。

 さらに、委員会に対する主要な情報提供者は、市長の指示のもとに新築移転を推進してきた市庁舎整備局であることも公正・公平さを損なっている要因になっている。

 専門家委員会のメンバーが客観的な視点で審議をしようとする努力も認められるが、総体としてみるとき、かつて新築移転を強引に推進してきた際に、有識者会議という名の隠れ蓑審議会、作為的アンケート、公費を使っての一方的宣伝などを通じて世論操作を行ってきたのと同様な手法で進められていることは明らかである。

 上記に示した内容について、委員会としての見解をうかがいたい。

2、鳥取市長の諮問とそれに対する委員会の審議について

 市長が「新築、改築にこだわらずフリーハンドで議論する」ことを求め、事実上住民投票を白紙に戻すことを前提とした諮問内容に対し、住民投票の結果との整合性も議論することもなく、審議に入り、住民投票で多数を占めた「耐震改修を基本とする案」と否決された「新築移転案」、不十分として審議さえされなかった「県建築士事務所協会案」などを同列に審議してきたことは、いかにも客観的な装いをしながら、実は新築移転案を復活させる方向に道を開くものに他ならない。

 さらに、専門家委員会のアンケートの選択肢の中に、全く実態もなく、どの場面でも審議さえされたことのない「現在地での新築案」なるものを挿入していることは大問題である。これは、市民の意思が分散する可能性の高い選択肢を加え、二者択一で60%の支持を得た「耐震改修を基本とする整備案」の支持を分散させ、相対的に支持率を低下させることによって、竹内市長が調査結果などの具体的な根拠を示すことなく「民意は変わった」とする恣意的発言を跡付ける意図をもって行われていると受け止めざるをえず、容認できない。

 このような新たな問題を十分な検討もせず、市民に提示することは、ただでさえ混乱している市庁舎問題を一層混迷に陥らせるものである。

 上記に示した内容に付いて、委員会として根拠を明確にしたうえ御回答いただきたい。

3、市議会が示した方向との整合性について

 3月13日、市議会の市庁舎整備調査特別委員会は、「耐震改修案の白紙撤回を求める会」の住民投票無効化と耐震改修案の白紙撤回要求の陳情を「住民投票は有効」「白紙撤回はしない」ことを全員一致で確認したうえ否決した。この結果から考えても、現在進められている鳥取市長の諮問とそれに基づいて行われている専門家委員会の審議内容は明らかに整合性を欠いており、直ちにアンケート実施を含めた審議のあり方を再検討すべきである。

 上記に示した内容について、委員会として法的根拠を明らかにし御回答いただきたい。

4、専門家委員会に求められていること

 専門家委員会に対して市民が望んでいるのは、市民の圧倒的多数が選んだ「耐震改修及び一部増築案」をいかにして実現するかの方向を、市民の意見を取り入れながら、市の財政状況を検討し、市民が求めた無理や無駄のない範囲で必要な施設設備の充実も含め、安心安全な市庁舎を実現する方向を市長に提言することである。

 上記に示した内容に付いて、委員会としての見解をうかがいたい。

5、専門家委員会として市民の声を反映するための対応について

 市民の会としては、十分な検討もなされないまま、拙速にアンケート調査をするのでなく、生の市民の声を聞くことこそ重要だと考える。専門家委員会として、市民に検討状況を広く説明し、意見を聞く全市民的な議論の場を設けるなどして、市民の意思を丁寧に把握すべきである。

 併せて、過去2年以上にわたって、5万人を超える市民の意見を集約しながら市庁舎問題に真摯に取り組んできた「市民の会」と専門家委員が率直な意見を交わす機会を設けていただきたい。

 上記に示した内容に付いて、委員会としての御回答いただきたい。

 以上の要請・質問に対する回答は4月23日(火)までにお願いしたいと思います。ご多用中とは思いますがよろしくお願いいたします。

 なお、専門家委員会の進め方及び市民アンケートについての具体的問題点について別紙に指摘しておりますので、ご検討をお願いいたします。

                  以  上

庁舎整備専門家委員会への意見(八村 輝夫)

4月4日に市庁舎整備専門家委員会の小野委員長宛に「要約しないで皆さんに配ってください」とのお願いの書面をつけて届けました。私の意見の一部ですが、皆さんにも読んで頂きたいと思います。

                        八村 輝夫

鳥取市庁舎整備専門家委員会の委員の皆様には大変ご苦労をおかけしておりますこと感謝いたします。感謝の気持ちとは反するようですが、この議論自体が意味の無い議論に思えて仕方がありません。簡潔に言えば、住民投票の結果を認めるかどうかだけの問題を費用の問題だけにして議論されているように思えて仕方がありません。市長が政治生命をかけて新築か、耐震改修かを決めればよいことで、議会はそれを認めるかどうかを議論すればよいことです。何故私がそう考えるかを専門家委員会の皆さんに訴えたく存じます。

 

1 住民投票の意味

  住民投票はⅠ案市立病院跡に新築移転――75億円

       Ⅱ案 現在地で耐震改修と増築――20億円  

で争われました。市民の意見は60%以上が第Ⅱ号案を選択しました。

第Ⅱ号案の意図するところは耐震改修および現位置、そしてできるだけ低費用でという意味だったと思います。ところが市長はこれを75億円か20億円の費用だけの問題と捉え、検証を議会にゆだねました。しかし、市役所に必要な機能(何が必要か)を定めず基本計画も無く、工法等が定まっていない案件を検証できるわけはありません。議会もその議論は全くせず金額だけの議論に終始し、第Ⅱ案は実現できないと結論付けました。工法を変えれば近い金額でできるものをできないとし、位置や費用をできるだけ抑えるという市民の声を無視した結論です。誰が考えても、検証ができないことは自明の理ですのに検証し、しかも、単に費用の問題を議論しただけで、それで「耐震改修」案の実現が難しい、不可能だとの結論を出しました。理屈に合わない結論です。

 

2 市庁舎建築に考えなければいけないこと

  それと庁舎整備の議論には大きな三つの欠点があります。それは

  1 市役所にどんな機能が必要か、合併した町村の総合事務所の機能、住民サービスとの関係はどうか。

  2 市庁舎の位置が従来続けてきた中心市街地活性化基本計画、そして第2次基本計画ではどうなっているのか。市の顔である市役所の位置は街づくりに大きな影響があると考えます。1.5㎞も位置を変えれば街づくりを考え直す必要があるはずです。

  3 市の財政計画はどのようになるのか。少子高齢化、人口の大幅減少〔2040年には156千人の予想〕、産業衰退の情勢の中で、市税の見込みや維持費も含めた財政の見通しはどうなのか。過去の公共投資で今重荷になっているのは如何に維持費を出していくかということです。先般委員会に示された市の財政の資料は一般会計だけで、水道などの特別会計、土地開発公社など実質市の借金、今後も市が税金をつぎ込んでいかないといけない重要な会計が説明されていません。人口推計、産業政策などと特別会計なども含めた市の財政計画の見通しを示すべきです。また耐用年数も単に税制上の数字だけで判断はできません。

 

3 委員会の皆様に考えておいて欲しいこと

  委員会のご意見である4つの案を精査して市に示すというお考えは、現在の委員会が作られた目的であり、そのとおりだと考えます。しかし、どのような意見書をお出しになろうが、今の市長には、「市民の声を聴いた、専門家もこう言っている」という市長の意見の免罪符になるだけだと思わざるを得ません。現在5号まで出された専門化委員会ニュースを読んでも、皆さんが議論をされたことと微妙に違った要約をしているように感じます。悪く考えれば市民の意見を誘導していこうとしているようです。このことをよく考えて頂いて答申案を作って頂きたいと思います。

  この庁舎問題に関するだけで今まで1億円近い税金を投入しています。私は住民投票の6千万円弱の費用の他は、全くの無駄遣いと思えて仕方がありません。これ以上時間とお金を無駄遣いできないよう、また住民投票に表された住民の意志を無視できないような答申にして頂くよう、心からお願いいたします。

                                 以 上

耐震改修の早期実現を求める3・3市民集会

 

 

耐震改修の早期実現を求める

   3・3市民集会

 

 ◆日 時 3月3日(日)午後2時~

 ◆会 場 さざんか会館 5階大会議室

 ◆主 催 市庁舎新築移転を問う市民の会

  昨年5月20日に実施された住民投票では、耐震改修案が4万7千人の市民によって選ばれました。これを受けて竹内市長は耐震改修案を受け入れることを表明。ところが、市長は耐震改修の具体化に着手せず、議会に投げ出しました。

 その後、市長は、日本設計による検証結果を受けて、「震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「民意をとらえなおす必要が出てきている」と住民投票結果そのものを白紙にする発言を行い、この1月末には、庁舎整備の専門家委員会を立ち上げ、住民投票結果にこだわらずに検討してもらい、6月には市長が方向性を打ち出すと述べています。

 しかし、今回の住民投票で重要な点は、多くの市民は、市が総力をあげて進めてきた「新築移転案」をはっきりと拒否して、「耐震改修案」を選んだという事実なのです。

 住民投票結果の無視は許せません!!

多数の皆さまの集会参加をお願いいたします。

現在、市長に対して「耐震改修案の早期実現」を

 求める要請署名活動を行っています。ご協力を!

    市庁舎新築移転を問う市民の会 会長 吉田幹男

     〒680-0035 鳥取市新町201 ☎25-4558 FAX 25-4559

 

市庁舎整備の現状に対する声明

 昨年5月20日の住民投票では、投票率が50%を超え、投票者の60%が市の進めてきた「新築移転案」を否定し、「このような時期に多額の税金を注いで新築をすべきでなく、今あるものを大切に、必用最小限の住民負担で済む耐震改修で行うべきである」という良識ある判断を下した。
 これは、現段階で、最も正確に市民の声を反映した直接民主主義の手法による結果であり、無条件でこれに従うことが、市民から選ばれた市政の最高責任者としては当然の義務である。 
 ところが、住民投票終了の翌日、市長は「住民投票の結果を尊重し、耐震改修を進める」旨のコメントを発表しておきながら、その直後、「耐震改修および一部増築案」の検証を議会に対して要望した。これは、議会が全員一致で決議した条例案に基づき、住民投票という最も民主的な方法で示された市民の選択を調べなおせという極めて不見識なもので、議論を逆行させるものにほかならない。市長が、住民投票の結果に基づき直ちに具体化すれば済むことを、検証させたことが、その後の議会の混迷の最大の原因である。
 ところがこともあろうに、当時の中西議長はこの提案をうのみにし、調査特別委員会を設置し、検証作業に入ることを指示した。これに対し、市民から「議会は何をしているのか!市民が選んだ内容で、市長が実行するだけで簡単な話なのに!」という声が上がったのは当然の帰結である。
 この混迷にさらに輪をかけたのは、議会の調査特別委員会において、市長を支持してきた三会派(新、清和会、公明)が、住民投票の結果を正しく受け止めようとせず、金額20億8千万円のみに議論を矮小化し、自らも正確な判断ができない建築の専門的な内容にまで踏み込んだことにある。
 その後、議会は、「旧市立病院跡地への新築移転案」を鳥取市と一体となって推進してきた日本設計に随意契約で検証に出すことを、多数決で押し切って決定した。その検証の結果は、予想通り、2号案は「原案のままでは実現は困難」とし、不当に高い33億2千万円の工事費、さらに検証に出してもいない残土処理費、文化財調査費などの「その他経費」の試算10億2千万円を鳥取市に出させ、本来、加算するべきでないもの(新築移転案でも、「その他経費」は計上していない)を加えて、2号案の2倍以上となる総額43億2千万という報告書が提示されることとなった。
 そればかりか、「全面建替えの可能性」として、検証の仕様書に記載のない内容で、しかも、正確な試算も根拠も示すことなく、43億4千万あれば新築も可能ということにまで言及がなされた。
 耐震改修案の「検証」状況を受け、竹内市長は、「耐震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「民意をとらえなおす必要が出てきている」と住民投票結果そのものを否定する発言を行っている。さらに、1月4日の年頭記者会見では、より踏み込んで、「今年前半に整備方針を出せるよう、最大限努力したい」、「専門家らの意見を聞くなどし、早々に積極的な取り組みを始めたい」と述べ、その方向に沿って、1月16日には、庁舎整備専門家委員会の設置条例が臨時市議会に提案され、賛成多数で可決された。
 が、この委員会は、住民投票の結果に基づいて現在地での耐震改修案を検討するものではなく、「新築・改築にこだわらずフリーハンドで議論する」ものとされている。
 市執行部として何ら整備の方向性を示すこともないままに「専門家」に検討をゆだね、その「調査、審議結果は十分に受け止めていく」(竹内市長答弁)という姿勢は、極めて無責任であると断ぜざるを得ない。
 こうした進め方は、新築移転を推進してきた際に、有識者会議という名の“隠れ蓑”審議会、作為的アンケート、公費を使っての一方的宣伝、地域審議会、地域懇談会などを通じて世論操作を行ってきたのと同様の手法で、新築の方向へ世論を誘導していこうという意図を持つものと受け止めざるを得ない。
 こうした情勢の下で、私たち「市民の会」は、以下のように私たちの立場を明らかにし、断固として市民とともに、市民の意思を尊重し、市民の側に立った市政が行われるよう、あくまでも要求し続けることを表明するものである。

1.私たちは、市議会議員が全会一致で決定した住民投票の中身を検証すること自体、不当であり、
  しかも、それを鳥取市当局と一体になって「旧市立病院跡地への新築移転案」を推進してきた「日
  本設計」という企業に、検証を随意契約で行わせたことが誤りであり、そして、その結果として、
  提示された報告書は基本的に信憑性に欠けるものであると考える。
  私たちは、市長及び市長を支持する3会派が、こうした報告書をテコに使い、市民の意思を誤
  った方向に誘導するような言動を行うことのないよう強く要求するものである。

2.今回の住民投票で市民が選択したのは、「現在地での耐震改修を基本とした方向」である。市民
  の真の意思は、「多額の費用をかけないこと」「20億8千万に象徴されるように、鳥取県庁が行っ
  た如く、可能な限り、安価で安全な改修を行うこと」「生活に密着した緊急の課題の解決に税金を
  充当すること」「中心市街地だけでなく、合併によって不利益が生じている新市域にも適切な施策
  を行うこと」などであったことは明白である。私たちは、市長がこの市民の意思を率直に受け止
  め、可能な限り市民の声を反映させながら「耐震改修及び一部増築」を基本とした市庁舎整備の
  具体化を進めることを改めて強く要求する。

3.新たに市が設置した専門家委員会は、あくまで住民投票に示された民意を踏まえて検討を進め
  るべきである。特に、住民投票で選ばれた耐震改修案の具体的な内容についてはいまだ市民の意
  見が汲み上げられていないことを重視し、短期間で拙速に議論をまとめるのではなく、耐震改修
  を求めた市民の声を丁寧に聞き取りながら進めるべきである。

4.今回の住民投票で、市・市議会と民意が大きくかい離していたという事実が明らかとなった。
  仮に、市が、今回の検証結果によって「2号案が実現できない」と一方的に決めつけ、耐震改修
  を否定するような方向性を打ち出すようなことがあれば、市民の納得は得られるものではない。
  私たち「市民の会」は、何より住民投票に示された市民の思いを大切にし、耐震改修案の実現
  を目指して取り組みを続けていく決意である。 

  2013年1月              

                                   市庁舎新築移転を問う市民の会

住民投票に示された民意の尊重を!

 

住民投票に示された民意の尊重を!

 

  ―いま、住民投票をなかったものにしようとする

                                     動きが進んでいます!!

 

■今年の5月20日に実施された住民投票では、第2案(耐震改修案)が約4万7千人の支持を得て選ばれ、投票率も50%を超えました。これを受けて市長は耐震改修案を受け入れると表明しました。

本来なら、ここで直ちに市が耐震改修計画案の策定に取り掛かるべきでした。ところが、竹内市長は耐震改修案の検討を議会に投げ出し、「基本計画的なもの」をつくるよう求め

議会の調査特別委員会で検討することに。 その調査特別委員会では、新築移転推進派が多数を占めていることもあり、前向きの議論にはならず、「20億円で出来るかどうか」という後戻りする議論となり、再び20億の「検証」を第三者に委託することになり、唯一手をあげた日本設計と随意契約で業務委託契約を結びました。が、日本設計は、新築移転の基本計画案を作成した会社であり、中立・公正な“第三者”とは言えません。

●その日本設計が、11月9日、耐震改修案の「検証」結果を報告。が、その内容は、非常に高い金額、すなわち、耐震改修案(の変更案)の概算工事費31億円、設計・監理費2.2億円、そして、本来は耐震改修案の「検証」に含めるべきでないその他経費10.2億円まで加え総事業費43.4億円というものでした。

(費用が法外に高い1例をあげれば、新第2庁舎の建設坪単価は、2号案の80万円に対し、日本設計は116万円としていますが、出雲市は86万、諫早市75万というように大きな開きがあります。)

 さらに、あろうことか、「検証」の範囲を踏み越えて、現在地での「全面建て替(新築)案」まで「検討すべき事項」として言及しています。

■住民投票で、多くの市民は、新築移転ではなく、今あるものを大切に使い、大きなお金を使わないで、必要最小限の耐震改修を行うことを選択しました。

 住民投票にかけられた耐震改修の費用は約20億円でした。これは、鳥取出身の建築家である山本浩三氏が算定したもので、鳥取県庁や商工会館、JA会館など市内の具体的な事例をもとに(実勢単価で)算出されたものです。

 ところが、新築移転推進派は、これに対して、「20億円では絶対出来ません」と繰り返し攻撃をしてきました。昨年12月の竹内市長後援会で配布された資料では、耐震改修案は何と67億円もかかると言い、その後も今年の2月には、議会検討会で20億円を「検証」するとして、県の建築士事務所協会に随意契約で業務委託し、原案を勝手に変更した「検証」とは言えない報告書で37億円かかると言ってきました。そしてまたまた今回の日本設計の“43億円”かかるという報告(実際の「検証」結果は33.2億円)です。

 しかも、この検証作業は、立案者の山本さんには、何の問い合わせもせず、一方的に進められました。この点も、建築士協会の時と同じやり方です。

 このようなやり方には意図的なものがあるとしか考えられません。「20億円では絶対出来ません」と主張してきた新築移転推進派は、何とか耐震改修の金額を釣り上げ、住民投票にかけた20億円は間違っていたとして、住民投票結果を否定し、何としても新築にもっていこうとしているようです。

住民投票の民意を無視することは許せません!

 

 問題を建設費の額20億円のみに焦点化するのは間違い!

新築移転推進派は、建設費の額が確定したかのように「市民に約束した20億円で出来なければ市民をだましたことになる」などと言い立てています

☛しかし、建設費は、どういう基準で算定するかによって異なります。

(山本さんは実勢単価により、日本設計は国土交通省の単価基準による。費用は当然異なります。)

☛また、現段階では明確な額を出すことは困難であり、設計段階でなければ決まらないことも沢山あります。(だからこそ、住民投票の「関連情報」(参考欄)に「建設費は概算であり、設計段階で精査されます」と明記してある。つまり、増減することは織り込み済みなのです。)

☛さらに、施工業者選定の段階の入札やプロポーザルで額は大きく変動することは常識です。(日本設計自身の出した資料でもそのことははっきり述べられています。)

☛それに加えて、何より耐震改修案の中身については、市民の意見を聞くということが不可欠です。その結果によっても当然額は変動します。

(市民の意見として、例えば、「駅南庁舎をもっと活用すれば、増築の必要はない」という意見は早くからありました。また、本庁舎と増築部分を渡り廊下でつなぐと「一体のもの」という市の判断が出され、そのため費用が増加しましたが、「それなら渡り廊下は要らない」という意見も当然出てくるでしょう。

 こうした不確定要素がたくさんある中で、随意契約で1社が額を出したからといって、それが確定的なものだとは決して言えないことは明らかです。

 4万7292人の市民は住民投票に何を求めたのか?

■11月2日、竹内市長は、耐震改修案の「検証」状況を受け、記者会見で「耐震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「民意をとらえなおす必要が出てきている」住民投票結果そのものを見直すような重大な発言をしています。また、これに呼応して、「住民投票は無効」と主張し、「耐震改修案の白紙撤回を求める」“市民団体”まで現れています。

 しかし、市民はただ単に「20億」という金額の問題のみで選択したのでしょうか?耐震改修案選択の背景には、①少子高齢化の進行、②国や市の厳しい財政、③市民の生活の厳しい状況、④まちづくりの視点、⑤防災上の問題、⑥総合支所の充実等もっと優先すべきことがあること、などがあり、今は箱物をどんどん作るような時代ではないという認識も広く共有されていたと言えます。それらを総合的に考えて、市民は住民投票で「市立病院跡地への新築移転」ではなく、「現本庁舎の耐震改修及び一部増築」を選択し、良識を示したのです。

 今の段階で、耐震改修案が20億より費用がかかるとの日本設計による「検証」結果が出されたからといって、耐震改修をという大きな民意は決して揺らぐものではありません。(耐震改修案の「総事業費」43億円とされていますが、市民は、新築移転案の75億円は建物だけの建設費であり、「総事業費」ははるかに多くかかることもよく知っているのです。)

市執行部・市議会と民意とが大きくかけ離れていたことから今回の住民投票運動が起こり、そのズレが投票結果としてはっきりと証明されました

 ならば、その反省に基づき、市長は、一刻も早く投票に示された民意に基づき耐震改修案の具体化を進めるべきであり、その進め方も、民意に沿って、すなわち議会というよりも市民の意見を聞きながら進めるべきなのです。

 市民の思いを無視する市長と推進派議員に今こそ抗議の声を!

 そして、議会もまた民意とかい離していたことの反省に基づき、多数決の原理(議会内の数の力)によって議論を推し進めようとするのでなく、民意を確認しつつ、前向きな議論を進めるべきなのです。

●「市民の会」は今後も耐震改修案の早期実現をめざして取り組みを継続していきます。皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願い致します。

市庁舎新築移転を問う市民の会 会長 吉田 幹男

 680-0035 鳥取市新町201番地 ☎0857-25-4558 FAX0857-25-4559

 

 

住民投票を無効にしようとする動きに抗議を!

 

11・24耐震改修案早期実現をめざす

 

市民集会に150人が結集

 

 「市民の会」は、1124日、とりぎん文化会館にて、耐震改修案の早期実現をもとめる市民集会を開催しました。参加した市民からは、「もともと今回の住民投票は、耐震改修か新築移転かということだった」、「新築は市民に拒否されたのだ」、「市民の税金を使うのに、随意契約で検証をするのは間違い」、「住民投票は最高の決議機関というべきもの。1日も早く前に進めてほしい」、など、市と市議会の姿勢を批判する厳しい意見が出されました。

           ≪会場からのその他の主な発言≫

特別委員会でいったい何をやっているのか。今の議論は住民投票前にやっておくことだ。

市長に(耐震改修案を)進めさせなかったこと、そこを議会が容認したことが間違い。(検証結果が)ホントかウソか議会では判断できない。

お金の話は無意味。まだ基本設計以前の段階。一刻も早く基本設計、プロポーザルをや

 って(耐震改修案を)進めていこう。

■谷口肇組織部長は情勢報告で以下の点を指摘。 市長が耐震改修案を具体化する責任を放棄し、議会に投げ出したのが間違い。 議会がそれを受け入れ、全会一致で決定し、市民に提案した案を改めて検証するとしたのは矛盾。検証は提案する前にすべきこと。

対立する案である新築移転の基本計画案を作成した日本設計に、随意契約で検証を依頼するのは、中立・公正と言えず不見識。 2号案と日本設計の検証では、算定の基準が違う。また、本来、検証に入れるべきでない「その他経費」10.2億円まで費用に入れている。さらに、検証からは外れる「全面建替」まで提案しているのは大問題。 住民投票で市民が耐震改修案を選んだのは、ただ単に20億円という金額だけの問題ではない。

■会には第2号案の立案者山本浩三氏も参加し、検証案を批判する見解を発表。「20億で十分できる」と具体事例や数値を基に説明。最後は「是非公開の場での討論をやって、市民の判断をしてもらいたい」と訴えました。

■集会の最後には、「私たちは、竹内市長が住民投票に示された市民の意思を率直に受けとめ、直ちに耐震改修を基本とする第2号案の実現に向けて具体的に取り組みに着手することを強く要求する。…私たちは「市民の会」に結集し…立ち上がった多くの仲間とともに、たたかい続ける決意をここに明らかにする」という集会宣言が満場の拍手で採択されました。

●なお、11月27日には、この宣言や会場からの市民の声をもとに作成した申し入れ書(要請と公開質問状)を市長と議長に提出しました。

 

住民投票の民意は現在地での耐震改修

 

 

 新築移転を推進してきた“市民団体”が

   議長に「耐震改修案の白紙撤回」を要請・・・その狙いは?

 

 11月30日、「市庁舎耐震改修案の白紙撤回を求める会」(元の「市庁舎新築移転を実現する会」が衣替えしたもの)が、議長に陳情書を提出し、市議会に「住民投票は無効だったと宣言し、市民に謝罪すること」「耐震改修案を白紙撤回した上で、市民にとって合理的な案をまとめること」を求めた、と報道されています。これは何を狙ったものでしょうか。

●竹内市長は、既に11月2日の記者会見で、「耐震改修案が実現不可能だと…明らかとなり」と断定し、「同じお金を使うなら、もう全く新たに新築もできるではないかというようなことも出ていたり」「(住民投票の)効力についての議論も出て来得る」「庁舎問題をどういうふうに方向付けていくのか…改めて議論をスタートさせなければならない」と述べています。

 さらに、11月16日の会見では、「(住民投票の結果は)尊重すべきものであると考えていますが、重大な事態が生じているという新たな事態があります。それをどう考えるか」「多くの市民の皆さんに…意見を寄せていただく…中で、これからいろいろ考えていかなくてはいけない」と踏み込んでいます。

●これらの発言から、市長が、住民投票とそこで示された大多数の市民の意思を否定し、改めて新築も視野に入れて議論をしていこうとする意図が透けて見えます。そして、今回の「白紙撤回を求める会」の陳情の「合理的な案」とは、現在地での「全面建替案」、または「新築移転案」を指すものと考えざるを得ません。

 なお、10月30日には、青谷町地域審議会で、庁舎整備局が出向いて説明する中で、委員から「今回の調査での建設費等は43億4千万円と倍以上の費用がかかる。これだったら新しく建ってもいいのではないか」「同じ場所に建てるのであれば議員の3分の2以上の賛成がなくても、過半数でいいのではないか」という意見まで出されています。

 こうした“市民団体”や地域審議会等の意見こそ、いま市長が“市民の意見”として求めているものと言えます。

●しかし、今回の住民投票で明らかになったのは、市及び市議会と民意とが大きくかけ離れていたという事実でした。ならば、その反省に基づき、市長は一刻も早く投票に示された民意に基づき耐震改修案の具体化を進めるべきです。その進め方も、議会よりもまず市民の意見を聞きながらことを進めるべきです。

 そして、議会もまた民意とかい離していたことの反省に立って、多数決の原理(議会内の数の力)によって議論を推し進めようとするのでなく、住民投票に示された民意を尊重し、耐震改修への前向きな議論を進めるべきです。

 

住民投票をなかったものにし、民意を無視しようとする

 市長と新築推進派の動きに抗議を!

 

 

 市庁舎新築移転を問う市民の会 会長 吉田 幹男

 〒680-0035 鳥取市新町201 ☎(0857)25-4558 FAX (0857)25-4559

 

 

鳥取市庁舎整備に関する要請書

議会の調査特別委員会での耐震改修に関する検討が前向きの議論になっておらず、

さらに、耐震改修案を随意契約で検証するなどの方向が出されていることから、市民の

会は7月24日に市長及び議長に対して要請行動を行いました。

・議会は随意契約を行わないこと

・市執行部が責任を持って基本計画をとりまとめ、基本設計・実施設計の段階ではプロ

ポーザルコンペを行うこと

・議会は、市執行部の提案に対し、その本来の任務であるチェック機能を十分発揮する

よう努めることなどの内容です。市長要請7・24 (提出用)